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公開日:2023年12月7日

賃貸オフィスの原状回復マニュアル。費用と電気設備トラブル回避のポイントを解説

賃貸オフィスの契約終了に伴う原状回復は、契約企業にとって重要な課題です。特に電気設備関連のトラブルは注意が必要です。この記事では、原状回復における基本ガイドライン、計画とスケジュールの立案、費用の負担割合とその把握、電気設備のトラブルと対策、そして専門業者による包括的なサービス利用のメリットについて詳しく解説しています。これらの情報を把握することで、スムーズでコスト効率の良い原状回復を実現できるでしょう。

1| 原状回復ガイドラインの基本

賃貸オフィスの契約終了時には、原状回復が必須となります。ここでは、賃貸借契約における原状回復の役割とその範囲、さらに設備の耐用年数を考慮した原状回復のポイントを解説します。適切な原状回復は、契約の健全な終了に不可欠であり、オーナーと借主双方の権利と責任を守るために重要です。

でんきの窓口。原状回復ガイドラインの基本の画像

1-1| 賃貸借契約と原状回復の関係

賃貸オフィスにおける賃貸借契約と原状回復の関係は、契約書の内容が大きく影響します。原則として、賃貸借契約書に記載された内容に基づいて原状回復の工事範囲が定められることが多いです。

 

具体的には、契約期間終了の2週間前までに退去し、契約期間中に原状回復工事を終えることが求められることが一般的です。もし原状回復工事が契約期間内に完了しない場合は、その工事が終わるまでの賃料を借主が負担することになります。

 

2020年4月に施行された民法の改正は、賃貸借契約における原状回復のルールに影響を及ぼしました。改正前の民法では原状回復に関する具体的な内容の記載がありませんでしたが、改正後の民法では原状回復に関して明確に記述されています。民法第621条によると、賃借人は賃借物を受け取った後に生じた損傷を原状に復する義務があります。

 

ただし、損傷が賃借人の責任でない場合(※)は、この限りではありません。この条文は任意規定とされており、契約内容によって変更が可能です。事業用賃貸借契約書や特約、定期建物賃貸借契約では、入居者が費用を負担して原状回復を行う内容にすることができます。

民法改正により、賃貸借契約書の内容が以前よりも重要になりました。原状回復に関して曖昧な表現の契約書の場合、オフィスや店舗であっても、通常損耗部分(例えば壁紙の劣化)はビルオーナーが負担することになります。このため、賃貸オフィスのオーナーや借主は、契約書に明確な原状回復の条件を定めることが非常に重要です。

 

※:民法改正前の2020年3月31日以前に賃貸借契約を行っている場合は、オフィス・事務所の原状回復は、基本的に賃借人が損傷・劣化の100%を負担しなければなりません

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1-2| 原状回復の範囲と耐用年数の理解

オフィスの原状回復の範囲と耐用年数の関係性は、減価償却の概念と密接に関連しています。減価償却は、物の価値が時間とともに減少するという考え方で、オフィス機器や建物などの価値が減少する程度を算出する際に、その物の使用可能年数、つまり耐用年数が考慮されます。

 

原状回復の際の費用負担において、賃借人は対象物の価値から減価償却を差し引いた分のみを負担するとされています。例えば、テナントとして入居時に新品だったカーペットを退去時に交換する場合、新品の価格を全額負担する必要はありません。入居年数が長くなるほど、減価償却によって負担する金額は減少し、耐用年数を超えると負担額はほぼゼロになる可能性があります。

 

具体的な例として、オフィス入居年数が3年で、クロスの耐用年数が6年だった場合、張替え費用の半額を賃借人が負担することになります。つまり、賃貸借契約においては、耐用年数を基準にして原状回復の範囲と費用負担の割合を決定することが一般的です。

2| 原状回復の計画とスケジュール

賃貸オフィスの原状回復を成功させるためには、綿密な計画とスケジュールの策定が欠かせません。この部分では、効率的な原状回復工事のスケジュール作成と、進行を管理するための具体的なリスト作成について解説します。正確な計画とスケジュールは、原状回復作業を円滑に進め、問題を事前に防ぐために重要です。

でんきの窓口。原状回復の計画とスケジュールの画像

2-1| 原状回復工事のスケジュール策定

オフィス移転における原状回復工事のスケジュール策定には、以下のステップが重要です。

ステップ 説明
01退去日の確定 移転予定日を確定し、それに基づいて原状回復工事の開始日を決定
02原状回復の範囲確認 必要な工事内容と範囲を特定
03業者選定と見積もり 信頼できる業者を選定し、複数の見積もりを取得
04スケジュール策定 工事の期間と各段階のタイムライン設定、遅延に対応できる余裕を持たせる
05緊急時の対応計画 予期せぬトラブルや遅延に対応するためのバックアッププラン準備
06進行状況のモニタリング 定期的な進捗チェックと必要に応じた調整

このステップに沿って計画を立てることで、オフィス移転と原状回復工事のスムーズな実施が可能になります。

一方で、電気設備の原状回復スケジュールには、移転1カ月前からの内装工事や電気設備の工事、適正な工期の確保、費用の把握、家具廃棄費用の確認が含まれます。これにより、スムーズな移転と原状回復を実現できます。

2-2| やることリストの作成と進行管理

オフィスの原状回復におけるやることリストの作成と進行管理には、複数の重要なステップが含まれます。

 

原状回復工事には、解体作業、塗装、天井設備関連の工事、クロスやタイルカーペットの貼り替え、クリーニング関連の工事、電気関連の工事、什器や備品の撤去、産業廃棄物処理などが含まれます。これらの工事は、物件によって異なるため、個別の契約書を参照して確認することが重要です。

でんきの窓口。やることリストの作成と進行管理の画像

また、原状回復の範囲は、通常損耗、経年劣化、特別消耗に分けられます。特にオフィスや事務所の場合、改正民法が施行された2020年4月1日の前後どちらで賃貸借契約を行っているかによって原状回復に必要な工事の範囲が変わってきますので注意してください。

これらの情報をもとに、やることリストの作成と進行管理を行う際は以下のポイントを考慮することが重要です。

 

以下は、オフィスの原状回復における主要なステップを表組形式でまとめたものです。

ステップ 説明 重要なポイント
01契約書の確認 契約日の確認と原状回復に必要な工事範囲の理解 契約書に記載された工事範囲を詳細に確認。2020年3月31日以前に契約している場合は通常の損傷や劣化も100%負担
02工事内容のリストアップ 解体作業、塗装、天井設備関連などの必要工事の特定 工事の種類ごとにリストアップ
03スケジュールの作成 各工事の着手時期と完了予定日の計画 工事ごとのスケジュールを明確に設定
04費用の見積もり 各工事の費用見積もりの取得 予算計画に基づく費用の見積もり
05進行管理 工事の進行状況の定期的な確認と調整 スケジュールに沿った進行と必要な調整の実施
これらのステップを踏まえて、計画的かつ効率的な原状回復を行うことが、スムーズな退去と物件の適切な管理に繋がります。

3| 原状回復時の負担割合と費用

賃貸オフィスの原状回復では、負担割合と費用の理解が不可欠です。この部分では、賃借人と貸主間での負担割合の合意方法と費用の正確な把握に焦点を当て、さらに原状回復費用の相見積もりの取り方と選定時の重要ポイントを解説します。適切な費用負担と見積もりの理解は、原状回復プロセスを円滑に進めるために重要です。

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3-1| 負担割合の合意と費用の把握

企業がオフィス移転を行う際には、原状回復に関する負担割合と費用の把握が重要です。まず、通常損耗や経年劣化に関しては、原則として賃借人(借主)の原状回復義務はありません。しかし、オフィス契約に特約が設けられている場合、これらを借主が負担することが記載されていることもあります。契約上の明確性が原状回復負担の有効性を決定します。

 

また、原状回復工事の費用に関しては、管理会社指定の業者にのみ依頼できる契約の場合、見積もりが不当に高くなる可能性があります。そのため、見積もり後は必ず内訳を含む見積書を提出してもらい、各工事項目と金額を詳細に確認することが求められます。

 

これらの点を適切に把握し、対応することで、企業はオフィス移転時の原状回復に関する負担と費用を効果的に管理できます。

3-2| 原状回復費用の相見積もりと選定ポイント

オフィス移転時の原状回復費用の見積もりと業者選定の重要ポイントを紹介します。相見積もりでは、見積書の明確さや適正価格の確認、詳細な作業内容の確認、保証内容の確認が不可欠です。業者選定では、実績と信頼性、専門知識と技術、充実した保証内容、コストとサービスのバランスを重視します。複数の業者から見積もりを取り、信頼できる業者を選定することが原状回復費用の適切な管理につながります。

4| 電気設備の原状回復トラブルとその対策

電気設備の原状回復は、多くのトラブルを引き起こす可能性があります。ここでは、賃貸オフィスの原状回復における一般的なトラブル事例と、これらの問題を未然に防ぐための事前準備について詳細に解説します。適切な準備と知識は、電気設備に関連する原状回復トラブルを効果的に回避する鍵となります。

でんきの窓口。電気設備の原状回復トラブルとその対策の画像

4-1| よくある原状回復のトラブル事例とトラブルを避けるための事前準備

以下は、オフィス移転時の電気設備の原状回復に関連する主なトラブル事例とその対策です。

トラブル事例 考えられるトラブル 対策
見積もりの不備 作業内容や費用の内訳が不明瞭で、予期せぬ追加費用が発生する可能性がある 明確な見積もりの要求と確認
工事期間の遅延 工事期間が予定よりも長引き、スケジュール通りに進まないことがある スケジュールの詳細な確認と管理
作業内容の不備 契約内容と異なる、不十分、または品質が低い作業が行われることがある 契約内容の明確化と品質の確認
これらのトラブルを避けるためには、事前の準備や対応が重要です。信頼性の高い業者との契約や、作業内容や費用の内訳についての明確な確認が重要となります。これらの事例を踏まえ、原状回復工事において事前の計画と適切な業者選定が重要であることが示唆されます。

5| プロの電気設備事業者による原状回復

電気設備の原状回復は専門知識を要する作業です。費用を押さえたい気持ちは理解できますが、DIY感覚で原状回復をすることはお勧めできません。電気設備の工事には危険を伴い、資格が必要なものもあります。プロに依頼することで、その複雑さとトラブルのリスクを最小限に抑えることができます。ここでは、プロフェッショナルなサービスによる電気設備の原状回復の重要性を掘り下げています。専門家による対応は、安全で効率的な原状回復を実現します。

でんきの窓口。プロの電気設備事業者による原状回復の画像

5-1| 電気設備の原状回復をプロに依頼

電気設備の原状回復をプロの電気設備業者に依頼するメリットはいくつか考えられます。

メリット 説明
専門知識と技術 電気設備に関する専門知識と高度な技術により、適切で安全な工事を行い、効率的な原状回復が可能
コスト削減 無駄を省いた最適な設備設計により、設備工事のコスト削減を実現
適切な工期管理 工期を守りながらの作業により、スムーズな工事進行と移転スケジュールの遅延防止
法的義務の遵守 法律で定められた原状回復の義務を遵守し、適切な工事を実施
高品質な仕上がり 経験豊富なプロによる高品質な仕上がりで、確実なオフィスの原状回復
これらのメリットを考慮すると、プロの電気設備業者に依頼することで、安全かつ効率的な原状回復が実現でき、移転プロジェクト全体の円滑な進行に貢献します。

5-2| トータルソリューションで解決する原状回復のメリット

オフィス移転時における電気設備の原状回復は、専門的な知識と技術を要する複雑な作業です。トータルソリューションなら、照明器具の撤去やコンセントの撤去、仮設コンセントの設置、整線処理、仮設分電盤の納品、既設分電盤の撤去・保管、電線の撤去、空調の電源線撤去、配管の撤去、電話・通信線の空配管撤去、サイン看板撤去、照明ランプ交換など、あらゆる原状回復作業を一手に引き受けます。

さらに、内装・塗装、空調設備、給排水設備、防災設備のご相談も可能で、移転後の建物設備メンテナンスにも対応しています。安心と信頼のトータルソリューションへ、ぜひご相談ください。あなたのオフィス移転を、最適な形でサポートいたします。

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トータルソリューションでは、電気設備を中心とした建物設備の総合メンテナンスを行っております。電気設備の原状回復もトータルソリューションにご相談ください。また移転後も照明の不点灯による器具交換、ブレーカー点検、アンペア変更、漏電調査、コンセントの焦げなどに伴う調査や施工など、電気設備の修理・メンテナンスはトータルソリューションにお任せください。契約金・固定費が0円で全国のトラブルを24時間365日受け付けています。この他にもLED照明の新規取付・交換工事、高圧受変電設備工事などの電気設備改修などの大型工事まで幅広く対応しております。オフィスや店舗環境を良くし、業務効率売り上げ向上のために電気設備の改善が必要な場合は、トータルソリューションにご相談ください。トータル的に長い目で快適な環境を維持できるように、問題解決を図ります。(※ご契約後にサービスが開始となります)

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