公開日:2023年12月7日
オフィス移転を成功へ導く!?スケジュール設計から電気設備の原状回復までの全知識
オフィス移転は複雑なプロセスですが、適切な計画と実行によりスムーズに進めることが可能です。この記事では、移転の計画から完成までの各ステップを詳しく解説し、担当者が知っておくべき重要なポイントをご紹介します。成功への道のりを歩むためのヒントを提供し、移転に関連する課題や解決策を掘り下げていきます。
1| 担当者が考えるべきオフィス移転のステップ
オフィス移転には計画性と段取りが不可欠です。ここでは、効果的な計画とスケジュールの策定方法を紹介します。
1-1| 移転計画の立案とスケジュール策定
オフィス移転の計画立案とスケジュール策定には、いくつかの重要なステップがあります。まず、移転の目的を明確にすることが重要です。この段階で、新しいオフィスに求める条件や要望を定義します。
次に、移転先のオフィスに求める条件や移転スケジュールを決め、これらをもとに正式な計画を提案し、社内での承認を得ます。移転にかかる費用の見積もりも、この段階で行うことが重要です。
スケジュールの立案においては、全体の流れを5つのステップに分ける方法があります。移転の実施時期や「基本計画」「基本設計」「実施設計」「移転実施」「原状回復」など移転後のオフィス運用の各段階を詳細に計画します。
基本計画
基本計画の段階では、移転の目的、新しいオフィスの要件、移転に伴うスケジュールや費用見積もりなど、移転プロジェクトの全体像を概略的に定義し、移転の方向性や枠組みを確立することが重要です。これにより、移転プロジェクトがスムーズに進行する基盤を築きます。
基本設計・実施設計
移転計画
原状回復
さらに、オフィス移転先でスムーズに運営を開始するには、電気設備の導入が不可欠です。電気設備工事には、設備の種類や規模に応じて異なる工期が必要です。
主要な設備について、工期の概要を以下にまとめます。
設備種類 | 工期 | 備考 |
---|---|---|
コンセント | 1~3時間(1つ増設の場合) | 複数の増設や配線変更が必要な場合は、それ以上の時間がかかる可能性あり |
照明 | 1日から2週間 | 設備の規模や種類による。大規模工事では計画的なスケジュール作成が重要 |
エアコン | 1日(1台取り付けの場合) | 複数台設置や電気工事が必要な場合は、時間が延びる可能性あり |
これらの工事は専門知識が必要で、トータルソリューションのような電気工事業者への依頼が一般的です。また、工事期間は他の工事やオフィス運営のスケジュールに影響を与えるため、事前の計画が重要です。
2| 原状回復の基礎知識
原状回復には多くの側面があります。賃貸物件を退去する際、テナントは原状回復義務を負いますが、その範囲や費用にはよく誤解が生じます。この章では、原状回復義務の正しい理解と、費用の相場や節約方法について詳しく解説します。
2-1| 原状回復義務の理解とチェックポイント
原状回復義務に関する理解とそのチェックすべきポイントは、賃貸物件を退去する際に重要です。改正民法により、原状回復義務が明文化され、国土交通省がガイドラインを公表しました。ガイドラインには以下の重要なポイントがあります。
ポイント | 説明 | 補足 |
---|---|---|
原状回復義務の定義 | 故意・過失、善管注意義務違反、または通常の使用を超える使用により建物価値が減少した場合は復旧が必要
※民法改正前の2020年3月31日以前に賃貸借契約を行っている場合、オフィス・事務所の原状回復は、基本的に賃借人が損傷・劣化の100%を負担しなければならない |
自然な劣化や通常使用による損耗は対象外
自然な劣化(経年劣化)の例:
通常使用による損耗の例:
|
負担割合 | 耐用年数と経過年数に応じた減価償却を考慮して、賃借人の負担割合を算定する | 設備が古くなり(電気効率の低下による電気代上昇)価値が減少した部分は賃借人の負担から除外
例:エアコン設備、換気設備、照明設備等
|
原状回復工事の範囲 | 補修工事が可能な最低限度の施工単位で、復旧を行えばよい | 壁紙の場合、傷の部分だけを張り替え、部屋全体の張り替えは過剰とされる |
原状回復で一般的なものは、壁紙や天井のクロスを貼り替えたり、間仕切り壁を解体したりと内装系を思い浮かべますが、忘れがちな電気設備の原状回復義務に関する重要なポイントを以下にまとめます。
ポイント | 説明 | 例 |
---|---|---|
電気系統の撤去 | スケルトン仕上げで借りた場合、設置した電気系統の撤去が必要 | 配電盤の設置 |
増設工事の撤去 | 賃借人が行った増設工事は原状回復時に撤去する必要あり | 追加のブレーカーやコンセント |
任意設置設備の撤去 | 入居者が任意に設置した設備は原状回復時に撤去する義務がある | 電気配線やLAN配線 |
内装工事と電気系統 | 内装工事が行われた場合、電気系統の撤去も原状回復工事に含まれる | 内装工事での電気配線 |
これらのポイントを理解し、チェックすることで、原状回復に関するトラブルを防ぐことができます。
2-2| 原状回復費用の相場と節約術
オフィス移転における原状回復費用の相場について解説します。
一般的に、原状回復費用はオフィスの規模や設備によって異なります。小規模オフィス(50坪まで)の場合、坪単価は3万円から5万円、大規模オフィス(50坪以上)では5万円から10万円の範囲になることが多いです。全体として、坪単価は4万円から5万円が一般的な相場とされています。
※概算であり、状況や規模により大きく異なります。
コストを削減する方法については、見積内容を正確に把握し、不必要な工事を排除することが重要です。具体的には、オフィスの原状回復に関わる見積もりを入念にチェックすることで、費用を減額することが可能になります。
オフィス移転に伴う原状回復は計画的かつ注意深く進める必要があり、費用の相場を理解し、コスト削減の方法を適切に適用することが成功の鍵となります。
3| 移転工事と業者選び
オフィス移転は計画的な進行が不可欠です。ここでは、移転工事の進め方とスケジュールの設定、さらには信頼できる移転業者を選定するための基準について詳しく説明します。成功への道は計画にあり、適切な業者選びがその鍵となることを、具体的なガイドラインとともに解説します。
3-1| 移転工事の進め方とタイムライン
オフィス移転工事の進め方とタイムラインは、複数のステップに分けて計画的に進める必要があります。一般的にオフィス移転には約半年の期間が必要とされています。特に、遠方への移転の場合は、物件探しが難航する可能性があるため、さらに1~2ヶ月早くスタートすることが推奨されます。
移転工事のスケジュールは以下のように進められます。
期間 | 主要なタスク |
---|---|
6か月前 | ● 新しいオフィスの物件探し・物件決定 ● 現在のオフィスの解約予約 ● 旧オフィスの原状回復工事の日程確認 ● 引っ越し業者の決定 |
4か月前 | ● 新オフィスのレイアウト決定 ● 内装工事業者の選定 ● 新オフィスの電気・通信工事手続き ● 旧オフィスの原状回復工事依頼 |
2か月前 | ● 名刺やパンフレットの企業情報変更手続き ● 取引先への移転案内と挨拶書面の送付 ● 備品・オフィス家具の整理・発注 ● 産業廃棄物の回収依頼 |
1か月前 | ● 新オフィスの内装・設備完成後の備品・家具搬入 ● 必要な書類の提出 |
この表はオフィス移転工事の進め方とタイムラインを整理したもので、各段階で必要な主要なタスクを概観するために有用です。移転プロセスは複雑で多岐にわたるため、このような表を作成しておくことで、全体の流れを把握しやすくなります。
電気設備工事を伴ったオフィス移転の場合は、どうでしょうか。オフィス移転における電気設備工事の進め方とタイムラインは、以下のように進行します。
流れ | 内容 |
---|---|
1.現地調査 | 既存の電気配線と分電盤の確認、ブレーカ容量と未使用回路のチェック |
2.配線ルートの確認 | 電源設置場所までのケーブル通路確認、天井裏・壁・床下の視覚的検査 |
3.配線作業 | コンセント、スイッチ、OAタップの設置場所まで配線 |
4.電気器具の取り付け | コンセント、スイッチ、OAタップなどの取り付け |
5.点灯試験と確認 | 照明の点灯試験、コンセントやスイッチの動作確認 |
※専門家への依頼 | 電源接続などの配線は電気工事士に依頼する必要あり |
オフィス移転における電気設備工事の基本的なステップとそれぞれの内容を概説しています。計画的な進行と専門的な知識が必要なため、専門業者への依頼が推奨されます。
3-2| 信頼できる移転業者の選定基準
信頼できるオフィス移転業者を選定する際の基準は、以下のポイントを考慮することが重要です。
選定基準 | 説明 |
---|---|
経験と実績 | 長年の経験や豊富な実績がある業者は、移転の複雑な問題への対処が可能 |
サービスの範囲 | 物件探しから設計、内装工事、引っ越し作業など全てのサービスを提供しているか確認 |
見積もりの透明性 | 明確な見積もりと隠れたコストがないかをチェック |
カスタマーレビューと評判 | 他の企業からのレビューや評判を参考にする |
対応の速さとコミュニケーション | 迅速な対応と良好なコミュニケーションができる業者を選ぶ |
4| 新オフィスの内装と設備計画
新しいオフィスの内装と設備計画は、職場の生産性と社員の満足度に大きな影響を与えます。ここでは、新オフィスのデザインコンセプトの決定方法と、効率的なオフィスレイアウトを実現するための重要なポイントに焦点を当てます。良い内装と設備計画が、快適で効率的なワークスペースを創出するための鍵となることを、具体例を交えて解説します。
4-1| 新オフィスのデザインコンセプト
新オフィスのデザインコンセプトの決め方は以下の手順で進められます。
1.コンセプトの重要性の理解
2.コンセプトを決める要素の考慮
3.具体的な手順の実行
2. 物件の選定
3. コンセプトをデザインに落とし込む
4. 施行・什器の購入
5. 導入後の効果検証
この手順に従うことで、新オフィスのデザインコンセプトを効果的に決定し、実装することができます。
4-2| 効率的なオフィスレイアウトのポイント
効率的なオフィスレイアウトのための電気設備計画では、以下のポイントを意識すると良いでしょう。
まず、オフィス機器や設備の消費エネルギーを抑制することが重要です。これには、照明の自然光活用やエアコンの効率的な配置が含まれます。次に、デスクの配置は電源コンセントやネットワークケーブルの接続を考慮する必要があり、デスク間の距離が電気設備の安全性や効率性に影響を与えます。
さらに、非常時の対策として、法的な基準に従い、電気設備の安全な配置を考慮することが求められます。最後に、照明設備の配置は作業効率や雰囲気作りに大きく影響し、電力消費の抑制にも繋がります。これらのポイントを踏まえた上でオフィスレイアウトを計画することで、効率的かつ快適なオフィス環境を実現できます。
5| 移転費用の管理
オフィス移転における費用管理は、計画の成功を左右する重要な要素です。移転予算の策定からコストコントロールまで、費用管理の要点を詳しく紹介します。さらに、移転費用を削減するための具体的なアクションも提案し、スムーズかつ経済的な移転を実現するためのヒントを提供します。
5-1| 移転予算の策定とコストコントロール
オフィス移転の予算策定とコストコントロールについては、以下のポイントを考慮することが重要です。
項目 | 説明 |
---|---|
予算の概算 | 移転にかかる費用の相場を把握し、全体的な費用感を掴む。引越し費用、新オフィスの確保費用、原状回復費用、什器・設備費用が含まれる。 |
コスト削減のアイデア | 内装工事の費用削減、適正なオフィス面積の検証、レイアウト変更やフリーアドレスの導入によるコスト削減。 |
予算管理 | プロジェクトの予算管理は見積もりから始まり、進行に合わせた適切なコストコントロールが必要。 |
業者の選定 | 移転に関わる業者を適切に選定することで、予算内での移転が可能に。 |
スケジュール管理 | 移転プロジェクトの適切なスケジュール管理により、無駄な費用を抑制。 |
5-2| 移転費用削減のために今からできること
オフィス移転費用削減のための具体的な方法をご紹介します。
居抜き物件の利用により、内装工事費や原状回復費用を削減できます。不用品の事前処分によって引越し費用を抑えることが可能です。また、オフィス家具のレイアウトを工夫することで、新規購入の品数を減らしコスト削減に繋がります。さらに、シェアオフィスやレンタルオフィスの利用、ペーパーレス化の推進により、OA機器や通信機器の設備コスト、消耗品のコストを削減することができます。
これらのアイデアを取り入れることで、オフィス移転費用の削減が実現可能です。しかし、オフィス縮小や移転自体にも費用や手間がかかるため、長期的な観点でコスト削減効果を見極めることが重要です。
6| 移転完了後に確認すべきこと
移転が完了した後も、様々な確認事項が必要です。ここでは、移転後に生じるトラブルを防ぐためのチェックリストを提供し、特に電気設備の原状回復に関しては、トータルソリューションへ依頼することで問題解決が可能です。これらのステップを踏むことで、移転前から移転後にかけて円滑にオフィス運営が実現可能になります。
6-1| 移転後のトラブルを避けるためのチェックリスト
- 機器やネットワークのトラブル(電話やネットワーク接続の不具合、プリンターの使用不可など)
- 移転の狙いやコンセプトの不明瞭(従業員の不平不満の原因となる)
- 働きやすさや動線の不足(不便な労働環境やプライバシー問題)
- 必要スペースの過小評価(サーバールームや倉庫のスペース不足による問題)
- 共用部や管理システムの問題(エレベーター、トイレ、給湯室などの共用施設の不足や使用上の問題)
- 周辺環境の問題(臭気、騒音、飲食店の不足、交通の不便など)
- 予算の過大評価(移転に伴う初期費用やランニングコストの予算超過)
これらの想定しうるトラブルを避けるためには、以下のチェックポイントに注意しましょう。
- 移転に関わる業者との打ち合わせを進め、作業範囲やスケジュールを入念に確認します。
- 取引先への挨拶の準備を進め、挨拶先のリストアップや挨拶状の手配を行います。
- 書類や備品の住所変更を事前に準備し、移転後すぐに対応できるようにします。
- 総務から代表者を選出し、各部署からも担当者を出すことで、部署間の意見や要望を反映します。
- デスクとデスクの間のスペースや通路の幅を検討し、レイアウトを確認します。
- 電話・OA機器の移設や引越作業との調整を行います。
- 旧オフィスに積み残しがないか、移転先での荷物搬入時のトラブルを確認します。
- 原状回復工事が契約内容に沿っているかを業者と確認します。
- 電話回線・通信回線の移転手続き、金融機関やクレジットカード会社への住所変更手続き、その他契約サービスの住所変更手続きなど、移転に伴う各種手続きを行います。
これらのチェックポイントを押さえることで、オフィス移転後のトラブルを効果的に回避できますが、計画的に進めることが重要です。
6-2| 電気設備の原状回復ならトータルソリューションへ
オフィス移転に伴う原状回復や設備移設には、総合的な対応が可能な専門業者を選ぶことが重要です。その際、トータルソリューションへご相談ください。トータルソリューションでは、電気設備、通信設備、内装・塗装、空調設備、給排水設備、防災設備など、建物設備全般の原状回復や新設レイアウト工事の相談が可能です。さらに、消防設備や通信環境の準備、LED化、太陽光発電設置、蓄電池、サイネージなどの幅広いニーズにも対応できます。
建物設備には新事務所への移転後も、清掃、点検、修繕、メンテナンスといった後続のサポートが必要です。トータルソリューションは、移転に伴う設備事情を深く理解しているため、引き続き的確なメンテナンスサービスを提供可能です。メンテナンスをきちんと行うことで、より長く本来の機能性を保つことができ、次の原状回復時の節約にもつながります。
トータルソリューションでは、電気設備を中心とした建物設備の総合メンテナンスを行っております。電気設備の原状回復もトータルソリューションにご相談ください。また移転後も照明の不点灯による器具交換、ブレーカー点検、アンペア変更、漏電調査、コンセントの焦げなどに伴う調査や施工など、電気設備の修理・メンテナンスはトータルソリューションにお任せください。契約金・固定費が0円で全国のトラブルを24時間365日受け付けています。この他にもLED照明の新規取付・交換工事、高圧受変電設備工事などの電気設備改修などの大型工事まで幅広く対応しております。オフィスや店舗環境を良くし、業務効率売り上げ向上のために電気設備の改善が必要な場合は、トータルソリューションにご相談ください。トータル的に長い目で快適な環境を維持できるように、問題解決を図ります。(※ご契約後にサービスが開始となります)
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