公開日:2023年7月12日
24時間営業のコンビニでも節電は可能!電気代削減で収益を最大化
24時間営業のコンビニエンスストアの運営にあたって、「電気代の高さ」はしばしば経営上の課題となります。実際、コンビニエンスストアに設置されている様々な設備の大部分は電力を消費しており、それが電気代として反映されます。この記事では、コンビニエンスストアの各種設備がどれだけの電力を消費しているのかをご紹介しながら、それらを効率よく使用し、電気代を削減する具体的な手段をご紹介します。
1| コンビニの電気代は1ヶ月あたり約30万円
東京都環境局が2013年3月に公表した資料によると、東京都内のコンビニエンスストアの年間電気代の平均は約334万円とされています。これを月額換算すると、約30万円(正確には278,333円)となります。
しかしながら、床面積が約140㎡と比較的小さいコンビニエンスストアになると、年間の電気代は約150万円(月額換算で12.5万円)となるとされています。これは、店舗の広さによって電気代が大きく変動することを示しています。もちろん、2階建てのコンビニエンスストアであれば、さらに多くの電気代が発生します。
コンビニエンスストアの多くは、100㎡以上250㎡未満の広さであるとのデータがあります。これを考慮すると、大半の店舗では月額の電気代は12.5万円から25万円程度と推定することができます。
参考:≫ 東京都環境局「コンビニエンスストアの省エネルギー対策 コンビニ店長のための節電ガイド」
≫ 環境省「民生(業務)分野における温暖化対策技術導入マニュアル」
≫ 経済産業省「4.業態別にみた売場面積 」
2| コンビニ運営に必要な設備5種と電気代に占める割合
本章では、 3階建ての1階部分を使用したコンビニ(フライヤーあり)を例に、コンビニ運営に必要な設備5種と、その電気代に占める割合を紹介します。
2-1| 空調設備
コンビニエンスストアの電力使用量の約24.3%は、エアコンを始めとする空調設備に消費されています。
コンビニエンスストアの空調設備は大量の電力を必要とします。夏は涼しく、冬は暖かい環境を保つ必要があるからです。
24時間営業しているコンビニエンスストアでは、空調設備が絶えず稼働しています。特に夏季は、お客様が快適に買い物をするために、空調の温度設定は一般的な家庭よりも少し低く保たれています。
また、コンビニエンスストアではお客様が頻繁に出入りするためにドアが開閉されることが多く、それにより室内と外気が絶えず交換され、空調の効率が下がってしまいます。このような理由から、空調設備の電力消費に頭を悩ませるコンビニエンスストアの店長は少なくありません。
2-2| 冷蔵・冷凍設備(ショーケースなど)
コンビニで最も多くの電力を消費する部分は冷蔵・冷凍設備です。全体の電力使用量の約32.6%を占めています。なぜなら、コンビニには冷蔵飲料・スイーツ・冷凍アイスクリーム・冷凍食品など、冷えた状態で保管しなければならない商品がたくさんあるためです。
最近は多くのコンビニが冷凍食品を取り扱うようになり、そのために冷凍設備が必要になっています。これらの設備のほとんどで、お客様が商品を手軽に取り出せるよう、ガラス仕切りのないオープンスペースが採用されており、電力消費量の増大につながっています。
また、食品を保管するためには、相応の大きさの冷蔵設備が必要です。オープンケースに商品を陳列することから、後述するエアーカーテンを設置していても電力消費量は大きなものになります。
2-3| 加熱・保温設備(電子レンジ・ショーケースなど)
お弁当の温めや肉まんの保温、揚げ物の調理などに使われる加熱・保温設備による電力消費は約19.3%です。全体の比率としては少なく見えるかもしれませんが、例えばオフィス街に位置するコンビニでは、昼食時間にお弁当を購入し電子レンジで温めるお客様が多いため、その電力消費は案外大きくなります。
2-4| 照明(天井照明・ショーケースなど)
全体の電気代のうち約15.9%は、照明設備に使われています。照明設備には、下記のようなものが含まれます。
- 店内の明かり
- 商品を陳列するショーケース
- 店の看板
- 街路灯
- 駐車場の照明
これらの照明はお客さんが店内にいる・いないに関わらず、一日中つけっぱなしになっているため、それなりの費用がかかってしまいます。
2-5| その他(エアーカーテンなど)
コンビニエンスストアでは、上記以外にも多岐にわたる設備で電力が消費されており、全体の電気代の約8%を占めています。具体的には、下記のようなものが含まれます。
- 商品の陳列ケースの温度を調整するエアーカーテン
- コピー機
- トイレ内の暖房便座
- 手を乾燥させるハンドドライヤーなど
3| コンビニで電力消費が多い時期と節電のための工夫
時間帯や季節によって電力消費量は異なります。本章では、電力消費が多い時期と、季節ごとに役立つ節電のための工夫を順番に解説します。
3-1| コンビニの電力消費は10時~20時ごろが多い
コンビニエンスストアでの電気使用量が最も多い時間は、大体10時から20時までです。これは、上記の時間帯にお客さんの来店が多いからだとされています。
基本的にコンビニで空調の消費電力が大きくなるのは、太陽が出ている時間帯です。特に夏は日照時間が長く、気温も高くなるため、空調の使用頻度が増え、電気料金が上がりがちになります。
対して冬は、基本的に24時間暖かくしておく必要があるため、夏以上に消費電力が大きくなりやすいです。
季節や時間帯に応じた照明や空調の調整、商品のディスプレイケースや調理器具の使用方法を見直してみてください。
3-2| 今すぐ節電できる季節に合わせた節電のための工夫
ここからは、すぐにでも取り組むことが可能な節電方法について、夏と冬に分けて詳しく解説します。
3-2-1| 夏の節電方法
夏の季節にコンビニの電力消費を抑えるための工夫を以下にまとめました。
空調 |
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照明 |
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冷凍・冷蔵 |
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その他 |
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※電力使用量を管理・制御するための装置のこと。電力使用量をリアルタイムで監視し、設定された上限値を超えそうになった場合、電力消費設備の一部を自動的に制御する。
3-2-2| 冬の節電方法
次に、冬の季節にコンビニの電力消費を抑えるための工夫を以下にまとめました。
空調 |
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---|---|
照明 |
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冷凍・冷蔵 |
|
その他 |
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4| 24時間営業のコンビニ。深夜の電気消費が問題視?
東日本大震災の発生により、「コンビニの24時間営業は電力の無駄遣い」との声が高まった結果、深夜の営業に規制がかけられました。しかし、現在は深夜営業の有無による省エネ効果の差はそれほど大きくないことが判明しています。
その理由としては、コンビニでは営業していない時間帯でも冷蔵設備を稼働させ続ける必要があること、電力供給会社の立場からすると深夜は電力が余りがちであることなどが挙げられます。
とはいえ、コンビニを24時間営業させているとプラスαで多くの電気代がかかるため、電力消費を抑制する取り組みが重要です。例えば、照明を省エネのLEDに変更したり、空調設備のメンテナンスを適切に行ったりすることで、固定費を節約することが可能です。
5| コンビニの電気代を根本的に節約する方法
ここからは、コンビニの電気代を根本的に節約する方法をさまざまな観点から解説します。
尚、コンビニの電気代を節約したいなら、設備のメンテナンスが特におすすめです。一時的に大きな出費となりますが、長い目でみると支出を効果的に抑えられます。
5-1| 電力消費割合の多い空調設備環境を整える
多くの電力を消費している空調設備を整備することで、電気代を節約することが可能です。電力消費の削減の中でも、電力消費の大部分を占める空調設備の管理は、効率性を大きく左右するからです。下記から詳しく解説します。
5-1-1| 室外機の設置環境
エアコンの消費電力は、室内の設定温度と外の気温との差が大きくなるほど増大します。また、室外機の設置場所や向きが適切でない場合、エアコンが排出した熱が戻ってきてしまい、外気温以上の高温を感じてしまうことがあります。そのため、室外機の設置場所や向きを工夫し、熱が効率よく放出されるようにすることが重要です。こうすることで、室外機のセンサーが過度に高温を検知することがなく、エアコンの電気代を節約することが可能となります。
5-1-2| 空調制御システムの導入
空間制御システムは、空調設備の運用を管理することで、無駄なエネルギー消費を削減し適切に調節するための仕組みです。このシステムを活用すれば、エアコンがどのように動作しているかが判明し、どの部分でコストが増加しているかを具体的に確認できます。快適な環境を保ちつつ、コストの管理を効率的に行うのに効果的です。
5-1-3| エリアごとに設定温度のルールを作る
店内各エリアにおいて適切に温度を設定・管理することで、快適な環境を維持しつつ電力の効率的な節約ができます。季節や天候に応じて適切な温度を調整すれば、エネルギーの無駄遣いを防げます。特に、売り場やバックヤードでは、設定温度を厳守してエアコンを使用することが求められます。これにより、顧客が快適に過ごせる環境を保ちつつ、エネルギー消費を最小限に抑えることが可能となります。
5-1-4| バックヤードは節電の意識を高く
店舗のバックヤードのエアコンを切ることも、節電策の一つです。しかし、真夏にエアコンを完全に使わなかったり、冬場に暖房を抑えて寒さに耐えたりするような対策は、従業員の働く環境を悪化させてしまいます。エアコンの適切な利用法を定め、ウォームビズなどの従業員の快適性を保つ対策も組み合わせて行いましょう。
5-1-5| 適温ならエアコンを使用しない
季節と時間帯によってエアコンの使い方を変えることが節電につながります。例えば、夏の夜は涼しくなるため、エアコンの運転を止めても問題ないケースがあります。また、冬の日中は太陽の光で室内が暖まるので、この時間帯は暖房を控えめにすると良いでしょう。
一日の中でも、時間帯や天気によって、外の気温や店内の温度は変わります。エアコンを完全に止めるだけでなく、必要に応じて設定温度を調整することで、よりエネルギー効率の良い運用が可能です。
5-1-6| エアコン使用中は店舗入口をしめる
エアコンを使用する際には、室内の温度を維持するために店舗の入口をしっかりと閉じることが必要です。これにより、エアコンが作り出す冷暖気が外部に逃げるのを防ぎ、電力の無駄遣いを避けることができます。このような細かな工夫が、電力消費の削減とコスト効率の向上に大きく寄与するからです。このような施策は、顧客にとっても、快適な店内環境を保つことになります。適切な空調管理は、コスト削減だけでなく、顧客満足度の向上にも繋がります。
5-1-7| 古いエアコンを新しいものに交換
エアコンの性能は年々向上しています。特に、近年のモデルは省エネルギー性能に優れ、同じ冷暖房能力でも消費電力が昔のモデルに比べて大幅に少なくなっています。店舗のエアコンが古い場合、新しいモデルに取り替えるだけで、電力使用量を大幅に削減し、それが結果として電気代の節約につながるのです。
また、古いエアコンは冷暖房効果が落ちていることも多く、冷暖房能力を保つために無駄に電力を消費しているケースもあります。新しいエアコンに更新することで、消費電力を抑えつつ、快適な温度環境を提供できるようになります。
5-2| 冷蔵設備の環境整備も電力消費に貢献
ここからは、電気代の節約に役立つ冷蔵設備の整備方法について、詳しく説明します。
5-2-1| 冷気の流れを妨げない
冷気の流れや冷蔵庫の吸排気を意識することで、電力使用量を抑えられます。例えば、商品やPOP広告が冷気の通り道に置かれていると、冷気の流れが妨げられてしまいます。また、吸排気口を商品で塞ぐと余分な電力が消費されてしまうため、こうした点に注意しながら商品を配置することが重要です。
さらに、冷蔵庫のフィルターを週に1回ほど、定期的に清掃することも重要です。こうすることで、エアコンの室内機フィルターの清掃とあわせ、年間で約2.3万円の節電が可能となります。
さらに、冷蔵設備の設置方法にも、注意が必要です。壁や棚などから間隔を空けて設置し、上に物を置かず、ドアや側面にマグネットで書類をたくさん貼らないようにしましょう。これらの工夫により、電力消費を抑えることが可能となります。
5-2-2| フィルターを掃除する
冷蔵庫のフィルターを、週に1回はきちんと掃除しましょう。エアコンの室内機フィルターの清掃と併せて行うことで、より大きな節約効果が見込めます。
5-2-3| ドアの開閉に注意
冷蔵庫のドアを開けた際に外の暖かい空気が中に入ると、電力が余計に消費されます。なるべくドアを開け閉めする回数を少なくし、開けたらすぐに閉める習慣をつけましょう。
5-2-4| 省エネ率の高い冷蔵庫を選ぶ
電力消費の大きい古い冷蔵庫を使っている場合は、省エネ効果の高い新しい冷蔵庫の導入を検討してみてください。
初期投資は大きいかもしれませんが、長期的に見ると電気代の節約になり、結果的に経費削減につながるでしょう。
5-3| 照明をLEDにする
照明を節電型のLEDに替えることも、効果的な方法の一つです。ただし、電球を交換するのではなく、安定器(電球の電流を制御する部分)を取り外した方が、より大きな節電効果を期待できる場合もあります。そのため、事前に照明設備の現状をしっかりと調査しておくことをおすすめします。
5-4| 室外機をケアする
エアコンの室外機は、定期的に水をかけるなどして冷却させると効率的に動作します。室外機は雨に耐えられるよう作られているので、水をかけても問題ありません。
また、日中は直射日光が当たらないようにすることも大切です。外観の問題で実施できない場合もあるかもしれませんが、このような工夫を日常的にすることで、電気代の節約につながります。
5-5| 契約アンペア変更を検討する
コンビニエンスストアの電気代を最適化するには、電力契約のアンペア数の見直しも有効策の一つです。
電力契約のアンペア数が大きければ大きいほど基本料金が高くなります。したがって、実際に使用する電力量よりも大きいアンペア数で契約していると、不必要な電気料金を支払うことになります。
ただし、必要な電力量よりも小さいアンペア数で契約していた場合、多数の電気機器を同時に使用するとブレーカーが落ちてしまう恐れがあります。この点には、注意が必要です。
コンビニエンスストアで主に使用される設備や電気機器には以下のものがあります。
種類 |
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---|---|
ベース電力消費機器 (営業中常に使用) |
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ピーク電力消費機器 (一時的に使用) |
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ここでは参考情報として、冷蔵ショーケースを例に挙げて、その種類別に消費アンペア数を紹介します。
種類 |
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多段オープン式 |
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アイランド式 |
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電気の使用量を理解するためには、「ベース消費電力」と「ピーク消費電力」の2つの要素を考える必要があります。
「ベース消費電力」は、営業時間中常に使用している電気機器の電力消費量です。これは、すべての電気機器の消費電力を合計することで算出できます。
「ピークの消費電力」は、一緒に使う可能性のある電気機器の最大の電力消費量です。それぞれの電気機器のアンペアを合計し、その中で最も大きな値を用いて算出します。
これら二つを合計したものが「1日で最も電力を多く消費する時間帯の電力量」です。電力量は、以下の計算式で算出できます。
最大消費電力量 = ベースの消費電力 + ピークの消費電力(最大値) |
契約するアンペア数を決める際は、この最大消費電力量を基準にして、それ以上の数値を選び、余裕をもたせることが大切です。
6| 複数の建物設備の改修やメンテナンスを行う場合は、総合設備メンテナンス会社へ依頼する
総合的に設備を整備したいとお考えの方は、総合設備メンテナンス会社へ相談する方法をお勧めします。コンビニの多くが蛍光灯からLEDへ代替したタイミングは、2011年3月11日の東日本大震災が起こった後からです。当時、大幅な電力不足が予想される中で平日電力使用のピーク時に25%の節電を求められました。それだけ照明のLED化は節電への貢献が高いです。
あれから12年ほど経ちますが、その頃LEDに切り替えたコンビニの多くは、およそ3回目の交換時期を迎えるのではないでしょうか。数回行ったLED交換工事を顧みてそろそろ別の工事業者に依頼したいと思っている方は、ぜひトータルソリューションにご相談ください。
またトータルソリューションなら、電気設備はもちろん、空調設備や給排水設備など網羅的にメンテナンスのご相談を受けることができます。建物設備の耐用年数は15年ほどといわれています。お心当たりのある方はぜひ併せてご相談ください。
7| まとめ
コンビニエンスストアの1ヶ月あたりの電気代は、平均約30万円とされています。電気代を削減するためには、照明のLED化、エアコンの室外機の定期メンテナンス、電気料金プランの見直し等の方法が有効とされています。
電気代を数パーセントでも節減すれば、結果として直接的な利益増加に繋がります。
節電対策にはどこから手をつけたら良いのか、どのような対策が最も効果的なのかと頭を悩ませている方は、省エネに特化した専門家への相談がおすすめです。専門家なら、具体的で効果的な節電のアイデアを提供してくれるでしょう。
当社のトータルソリューションでは、電気工事やメンテナンスの他、空調、給排水、内装等のコンビニエンスストアの設備に関するトラブルに幅広く対応します。「コンビニの電気代節約について総合的に相談したい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
トータルソリューションでは、照明器具交換をはじめ漏電調査・修理などのトラブル駆けつけメンテナンスを24時間365日受け付けています。また、LED照明新規取付・交換工事、高圧受変電設備工事などの電気設備改修まで幅広く対応しております。オフィスや店舗環境を良くし、業務効率売り上げ向上のために電気設備の改善が必要な場合は、トータルソリューションにご相談ください。トータル的に長い目で快適な環境を維持できるように、問題解決を図ります。
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