×

tipsページのヘッダー建物設備にまつわる疑問を解決の画像

T!ps – 空調設備 –

業務用エアコンから水漏れ発生!原因と自分でできる対処方法

冷房を使う時期、業務用エアコンからポタポタ水漏れが!飲食店やアパレルなどの店舗に設置されている業務用エアコンは、天井に設置されているため、水漏れしてしまった場合お客様や商品に水がかかってしまい汚してしまうかもしれません。オフィスであれば、パソコンに水がかかって故障してしまう可能性もあります。業務用エアコンの水漏れは、できるだけ早く水漏れを止めたいものですね。
ここでは、業務用エアコンの水漏れの原因を解説しながら、自分でできる水漏れの対処方法や、プロに修理を頼んだ場合の水漏れの修理費用の目安などを紹介します。

エアコンを稼働させると水の発生はつきもの

空気に関する設備だと思っていたエアコンから水漏れがすると、焦りますよね。ところが、エアコンと水との関係はとっても密接なのです。初めにその関係性を説明させていただきます。

水はどこからやってくるのか

いったい、エアコンから漏れている「水」は、どこから来ているのでしょうか。エアコンは室内の空気を取り込み、その空気を熱交換器で設定温度に調整して吹き出しています。夏の温かい空気を冷やした時や、反対に冬の冷たい空気を温めた時に、空気中の湿度が結露となって水が発生します。身近な例でいうと、真夏の暑い日、テーブルに氷の入ったキンキンに冷えたグラスがあるとします。夏の暖かい空気がグラスの表面に触れると、水滴に包まれていきますよね。いわゆる結露の状態です。エアコンの中では、この結露の状態が発生しています。この水を結露水と言います。

冷房でも暖房でも結露は起きている

エアコンと水の発生についてイメージいただけましたでしょうか。前述では空気を冷やすとき(冷房)の仕組みを説明しましたが、実は暖房のときもエアコンは水を発生させています。ただ、暖房時は室外機に水を発生させています。ご家庭の暖房使用時でも、冬場の室外機の配管からチョロチョロと水がでているのを見たことがある方もいらっしゃると思います。冷房のときの室内機の働きを、暖房のときは室外機が同じように行っています。そのため、冬は外に出る結露水も、冷房では室内に水漏れとして発生してしまうのです。

水漏れしてしまう原因とは

ここまでの情報では、エアコンを稼働すると必ず水が発生している様子。では、水漏れは防げないのでしょうか。実はエアコンの水漏れで一番多い原因は、結露水の水漏れと言われています。水漏れする原因は、エアコンの構造にヒントがあります。

エアコンの構造上、水漏れは防げないのか

(エアコンの構造画像を入れる)
たとえば図のような壁掛形エアコンの場合、
・エアコン内部の熱交換器で結露水が発生
↓ 水を受ける表側のドレンパンに一旦たまる
↓ 背面側のドレンパンから表側のドレンパンへの自然勾配でつたう
(もしくはポンプで水を吸い上げ)
↓ ドレン配管をつたって屋外へと排水
との順に水が通過していきます。この水の流れが正常な流れとなります。
この水の流れは、天井カセット形や天井吊下形、床置形など、各部品の形状や構造が違っていても、あらゆるエアコンに共通の仕組みです。
設置している壁の裏がすぐに屋外になる家庭用エアコンと違って、業務用エアコンは天井の中央に設置されている事が多いため、屋外から遠いところに設置されがちな業務エアコンのケースでは、ドレンポンプというポンプを使って結露水を吸い上げ排出しています。
それでは、エアコンの構造が分かったところで、次からはいよいよ水漏れの原因について解説していきます。

内部の汚れや劣化など

エアコンが水漏れを起こす原因として一番の原因といっていいのが、排水環境の汚れです。エアコンが室内の空気を取り込んだ時、一緒に空気中のホコリや油分などの汚れも吸い込んでいます。その汚れが結露水と混ざりあって、ドレンパン(水の受け皿)に溜まっていきます。汚れがドレンパンやドレンホースに蓄積されていくと、汚れによって結露水が正常な流れで外に排出されずあふれ出てしまい、水漏れが発生する原因となります。
汚れの他には、ドレンポンプやドレンホースの劣化・故障、その他の機器の故障などが原因で水漏れが発生している場合もあります。

冷媒ガスの不足

エアコンの冷媒ガスが漏れてしまったなどの原因でガスが足りなくなると、熱交換がうまくできず熱交換器に結露が発生します。その結露が水漏れの原因となることがあります。冷房の効きが悪くなったのに、水漏れがする場合は、これが原因かもしれません。この場合は自分での応急処置は難しく、冷媒ガスの漏れの原因の対処やガスの注入を、専門の業者に依頼する必要があります。

熱交換器の汚れ

熱交換器が汚れて目詰まりを起こすと、エアコンが通常よりも強いエネルギーで運転してしまい、結露ができやすくなります。放っておくと水漏れだけでなく、熱交換器のフィンに汚れが固着して取れなくなったり、熱交換器の入れ替えが必要になり大きな費用がかかってしまったり、不具合が多発して機械が稼働しなくなる恐れがあります。これらを防ぐには熱交換器の洗浄が必要になります。熱交換器の掃除も自分ではできないので、専門の業者に依頼してください。

雨水の流入

雨水がドレンホースをつたって室内に漏れてくる水漏れもあります。この原因は、ドレンホースを保護しているテープの経年劣化です。ボロボロになったテープの隙間から雨水が流入し、ドレンホースをつたって室内機に入ってきてしまいます。この現象は、おもに室外機が室内機よりも高い場所に設置されている場合に起こります。雨の日やその翌日に水漏れすることが多い場合は、雨水の流入が水漏れの原因である可能性が考えられます。

室内と屋外の気圧の差

エアコンの水漏れには建物の気密性がかかわってくることがあります。高気密の建物では、ドアや窓を開けずに換気扇を回すと、室内より屋外の方が気圧が高くなります。空気は、気圧の高いところから低いところに流れるため、屋外から室内に空気が流れ込もうとします。その状態で結露水が発生すると、結露水は外に排出されずに逆流してしまいます。エアコンから「ポコポコ」と音が聞こえたら、逆流している可能性があります。窓や室内の換気口を開けたり、使用している換気扇の強さを弱くしたりする事で改善できます。

エアコンの結露を放置すると起きること

エアコンの結露が発生しているにもかかわらずそのまま放置しておくと、本体内部の湿度が上昇してカビが生えてくる恐れがあります。健康被害を防ぐためにも、早めに結露対策を行いましょう。

カビが発生して健康被害につながる可能性

エアコンの結露をそのまま放置すると、たまった水分がエアコン内の湿度を上げてカビを発生させてしまいます。その結果、エアコンの空気にカビの胞子が含まれたまま排出されるようになり、嫌なニオイや喉の痛み、アレルギー発生の原因になったりします。
またカビが発生してしまうと自分で対処することが難しいので、専門の業者に依頼してエアコン内部をクリーニングしてもらう必要があります。

汚れはエアコントラブルの元凶

水漏れの原因は、温度差以外にも汚れが原因になることが多いと説明しました。水漏れを引き起こすほどに汚れたエアコンをそのまま放置したら、次のようなトラブルを引き起こします。
・エアコンの風量が弱い・風ムラがある
・エアコンの冷房、暖房の効きが悪くなる
・エアコンが水漏れがひどくなる
・エアコンからの異臭がきつくなった
・部品の劣化などによる故障(コンプレッサーなど)
使用状況や環境、時間経過などによって差異があるものの、おおむねこのようなトラブルにつながります。つまりは、汚れがエアコンのあらゆるトラブルの元凶であるということです。

エアコンの結露の具体的な対処方法

エアコンの水漏れの原因は意外とたくさんあった印象ですか?故障でエアコンが急に動かなくなった場合、特に真夏の場合は修理業者がすぐに来れるとは限りません。そもそもの原因は大量の結露ですので、ここでは結露が気になり始めた時にできる6つの対処方法をご紹介します。

エアコンの設定温度を少し高くする

結露をできにくくするためには、設定温度をいつもよりも少し高くしてみてください。
30℃以上あるような猛暑日に、エアコンのスイッチを入れて直ぐに20℃位の極端な低温に設定すると、室温との激しい温度差により結露ができてしまいます。どうしても設定温度を大きく下げたいときは、設定温度を徐々に下げていくのが良いでしょう。最初は28℃に設定し、室内の温度が下がったのを確認してから1〜2℃単位で温度を調整していくのがおすすめです。温度差が少ない状態を保つことが、結露をできにくくするポイントです。

エアコンの風量を強めに設定する

エアコンを強めの風量で運転することは、結露を防ぐために効果的です。
夏の暑い室内環境下で風量が弱いまま運転すると、エアコンの吹き出し口付近に冷たい空気が滞留してしまうため、結露が発生してしまいます。風量が弱いと部屋が涼しくなるまでに長い時間を要してしまうので、スイッチを入れてすぐの段階では風量を強めに設定し、ある程度室温が下がってから風量を弱める方法がおすすめです。

エアコンのフィルターを掃除する

それでもエアコンの結露がなかなか改善しない場合は、フィルターを掃除してみましょう。もしもホコリが溜まっていたら、しっかりと取り除くことが重要です。フィルターが詰まっていると空気の流れが悪くなり、結露の原因となります。掃除をする際はホコリを吸い込まないようにマスクをして、できるだけ屋外で掃除することをおすすめします。

【掃除方法】
1)最初にエアコンのふたを取って本体からフィルターを外し、溜まったホコリを掃除機で吸い取って水洗いします。
2)油汚れなど落ちにくい汚れは中性洗剤を利用するといいでしょう。またフィルターの網に詰まった細かい汚れは爪楊枝などを使うと簡単に取ることができます。
3)フィルター清掃の際にはエアコンの内部にもホコリが溜まっていたり、水が溜まったりしていないか確認するようにしましょう。

エアコンの冷却フィン(熱交換器)を掃除する

長年使用している古いエアコンの場合は、冷却フィン(熱交換器)の汚れも考えられます。冷却フィンが汚れていると、フィルターの時と同じように空気の通り道が確保できません。
もしもフィルターを掃除しても結露が目立つ場合は、冷却フィンを掃除してみましょう。
冷却フィンの掃除はエアコンの内部に及ぶため、フィルターと比べて養生などの手間がかかります。 また洗剤が残るとカビや不具合の原因にもなるので丁寧にふき取りましょう。
自分での掃除が難しい場合は、クリーニングをしている専門業者に掃除を依頼することがおすすめです。

エアコンに結露防止用の吹き出し口を設置する

エアコンから出てきた冷たい空気が吹き出し口付近にたまり続けると、空気の温度は極端に下がり、結露が発生しやすくなります。そこで結露防止用の吹き出し口を設置することをおすすめします。

プロペラ型

風車の原理を使って、拭き出し口から出る風でプロペラを動かして風向きを分散させることで、吹き出し口の極端な温度低下を緩和させます。
また出てきた風をすぐ分散することができるため、室内の温度を効果的に下げることができます。設定温度を必要以上に下げる必要がなくなるので経費節減にもつながります。

風向き板

吹き出し口に付ける長方形の板状風向き板で風向きを調整することで、結露対策以外にも特定の箇所を冷やしすぎず、室内の温度を効率的に下げることができます。各メーカーで様々なサイズを用意しており、値段も1,000円代からありますので、費用を最小限に抑えられます。

エアコンに結露防止テープを貼る

エアコンには室内機と室外機を結ぶ配管があり、この配管で結露が発生することがあります。 室内配管は冷却された空気の通り道になるため、 この配管の温度と室内の温度の差が原因で結露が生じます。
配管の結露防止には結露防止テープを使いましょう。エアコンを設置した際、配管には断熱材が巻かれていますが、長期間の使用で劣化によってテープが破れ、結露を引き起こします。
配管が見えているようなエアコンは新しい結露防止用の断熱テープに交換すると改善できます。

テープの貼り方

1)貼り付け部分のホコリなど、汚れを取り除く
⇒まずはテープの粘着性を保つため、貼り付け部分の汚れを取り除いておきましょう。
2)下から上にテープを巻き上げていく
⇒配管の結露が気になる部分にあわせて、下から上へと巻き上げていきます。
3)巻端部分をビニールテープで巻き止めする
⇒テープが剥がれるのを防止するため、巻き終わりの端の部分はビニールテープで止めてください。

自分でクリーニングするのが難しい内部は専門の業者に

自分で行うエアコン掃除は、どうしても目で見える範囲に限られてしまいます。汚れている場所が見えないので、エアコン内部の汚れまで完全に取り除くことは難しいですよね。

無理をして自分で掃除すると故障や不具合の原因にもなりかねません。掃除が難しいと判断した場合は、専門の業者にエアコンのクリーニングを依頼することがおすすめです。プロだからこそ気づくことのできる微細な異常を見つけることができるため、大きな故障を未然に防ぎ、買い替えのリスクも減らせます。是非、プロによる定期的なクリーニングも取り入れてエアコンを最大限に長持ちさせましょう。

業務用エアコンの水漏れ修理の費用の目安

業務用エアコンの水漏れ修理費用は、原因となる部分によって変わってきます。
ドレンホースの詰まりであれば、ドレンホースの清掃やポンプの交換になる場合があります。ドレンホースの修理費用の目安は、5,000円〜37,000円程度と言われています。
ドレンパンなどの分解清掃は、1台20,000円〜30,000円。冷媒ガスが不足していた場合は、12,000円〜30,000円の修理費用がかかります。
あるいは購入してから10年以上経っているエアコンの場合、部品が用意できないもしくは部品代が高額になるためおのずと修理費用も高くなってしまうことになりかねません。

また、古いエアコンは省エネ効率が悪く、電気代も高額になりがちです。年間で数万円もの差が出ると言われているんです。10年以上経過したエアコンであれば、これを機に買い替えを検討してみるのも低コスト化実現の一つと言えます。

まとめ

今回は、業務用エアコンが水漏れすると、エアコンの内部で何が発生しているのかについて詳しく説明してきました。結露が目立ってきたような時は、ここであげた応急処置を試してみてください。

結露の発生は空気の温度を制御エアコンの運転にはつきものだとわかりました。
水漏れの原因は、温度差以外にフィルターや内部の汚れや劣化、冷媒ガスの不足、室内とおっく外の気圧の差が原因であることがわかりました。
エアコンの結露を防止するには温度設置の見直し、風量の工夫、掃除や吹き出し口の工夫が大事であることがわかりました。
結露対策には自分で行えることもたくさんありますが、内部のクリーニングやカビが発生してしまった場合は、専門の業者にお願いすることが、全体的に低コストに抑える秘訣であることがわかりました。
すぐに解決したい方!

トータルソリューションでは、業務用エアコンの点検をはじめ、更新、増設工事、トラブル駆けつけ対応などのメンテナンスを全国対応・24時間365日受け付けています。また、空調設備のほかにも店舗の売り上げを左右する照明器具交換・安定器交換、LED照明新規取付・交換工事などの電気設備のメンテナンスや改修、給排水工事、防災設備まで幅広く対応しております。オフィスや店舗環境を良くし、業務効率、売上向上のために建物設備のメンテナンスが必要な場合は、トータルソリューションにご相談ください。トータル的に長い目で問題解決を図ります。

工事店ネットワーク画像

トータルソリューションを選ぶPOINT!

全国に1000社以上の協力会社網!電気設備のトラブル内容から最適な電気工事会社を選出し、メンテナンスから改修まで対応が可能です
トラブル内容を承るオペレーターも電気工事士有資格者のため、安心してご相談ください。電話口の解決でコスト削減も可能
チェーン店舗を展開する企業様も安心。弊社に工事手配、部材発注、請求書管理を一括でお任せいただくことで、地域差の出るメンテナンス費用を一律に抑えることができます。